結婚したばかり、子供が生まれたばかり、の若い世代。仕事に家庭に無我夢中に頑張っているけれど、この先本当に家族が安心で幸せな暮らしはあるのか…?
そんな思いはありませんか?僕もそんな思いを抱えていました。
「家族の幸せは自分の幸せ」と、いつも自分のことは後回し…。でもそれって本当に正しいのでしょうか!?
そんな僕にある日突然降って湧いた「若年性脳梗塞」という病気。
当時子供はまだ小さいし、住宅ローンを組んだばかり…。
「なんで僕が…!?」お先真っ暗とはこのこと。
でも結果的に自分を見直すいい機会になりました。この病気になったことで人生観が変わって、何事にも前向きになれる様に!
この記事では、突然の体の異常を感じた際にすべき行動、思いがけない入院で困ったことや対処方について、体験ベースでお話します。
そして、健康だけが取り柄と思っていた僕の日常が奪われる不安と、「若年性脳梗塞」という病気を経て感気付いたこと。家族と共にある幸せの見つけ方を綴ります。
この記事にはこんなことが書いてあります。
- 健康だけが取り柄と過信しない!「救急センター」に電話相談する!
- 「お先真っ暗!?」病気で人生観が変わった入院記録!
- 「お金に困った…」高額医療費制度とは?
- 結論「自分の幸せ=家族の幸せ!?」
健康だけが取り柄と過信しない!「救急相談センター」に電話!
僕は36歳で脳梗塞を発症するまで、入院どころか骨折すらした事がありませんでした。
異常を感じたら、健康だけが取り柄と過信せずに「救急相談センター」に必ず電話!!
突然の頭痛!視界がおかしい
ある年の8月の半ば、熱い夏の朝の出来事。
朝起きると頭が痛い。
テレビを付けると、画像はしっかり見えるのに、字幕の左半分が見えない。
「疲れてるのかな?」
諦めて本を手に取る。
あれ?読めない?
目が字を追う事が出来ない。
だめだ、やっぱり疲れてるんだ。
今まで感じた事のない違和感から、半ば現実逃避するかのように布団に戻る。
3時間後、再び目が覚めた。
ズキンとやっぱり頭痛がある。
テレビを見ると、これまた状況は変わらず、左側の文字が見えない。いよいよまずいと感じた僕は、妻に相談してみた。
「救急車呼ぼうか?」妻が言う。
「いやいや、大袈裟でしょ?」
それでも妻は心配するので、救急相談センターに聞いてみる事にした。
「#7119」電話をプッシュ。
状態を説明すると、直ぐに病院に行くよう勧められた。
妻に、自転車で行ってくる。と言うと怒られた。
「タクシーで行きなさい」
本当にそれくらい僕自身に自覚がなかったのだ。
思いもよらない病気の発覚!
当初、医師は「片頭痛でも時々そういった症状が出る事があるんですよ。」と言っていた。
念のため、MRIを撮ることを勧められ、「はい」と返事をした。
MRI?・・・それにしても、MRIを撮るってさぁ、機械の中は狭いし暗いしうるさいし、緊張してドキドキした。
あれこそ体に悪い(苦笑)。
改めて医師から呼ばれると、医師の硬い表情。
・・・ドキリとする。
「ここ見て。ここに影があるでしょ?・・・これ、脳梗塞かも」
「えっ?どういう事?脳梗塞!?」
戸惑っていると、「今日はこのまま入院して下さい」と。
「えっ?入院!?」
訳の分からぬまま、僕は「はい」と返事するのがやっとだった。
脳梗塞って言うには若過ぎる、36歳の夏の日の事でした。
これまで病気とは縁遠いと思っていた僕は、生まれて初めて入院する事になったのです。
救急相談センターについて
脳梗塞といったら、ともかく「救急車!」だと思います。
ただ僕の場合、危険だと自覚のないほどでした。
救急車を呼ぶべきか、病院に行くべきか、迷ったら「#7119」救急相談センターに相談するのはアリです。
詳しくはこちらへ。
東京消防庁
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/kyuu-adv/soudan-center.htm#top
また、上記「#7119」については、東京をはじめ、宮城・埼玉・新潟など、一部地域での実施のようです。
他の地域は、違う電話番号であったり、24時間体制ではなかったり、するそうです。
また、使えるのは携帯電話なら大手キャリアのみ。
それ以外の場合は各地域の電話番号です。
東京都内ならば、
23区内:0332122323
多摩地区:0425212323
※通常の通話料がかかります。
「お先真っ暗!?」病気で人生観が変わった入院記録!
脳梗塞と診断された僕は、二週間の入院をする事になりました。
恐怖と不安しかありませんでした。
後遺症!?病気の原因もわからない
入院当初から、ずっと軽い頭痛はあるものの、それ以外は何だか普段と変わらない気がする。
でも、談話室にある本を読もうとすると、目がチラチラして字を追う事が出来ない。
漫画を必死に見つめる。
1ページを必死に読んで、何とも言えない気持ちの悪さに襲われる。
「ああ、やっぱりダメだ」と途方に暮れる。
これからどうしよう・・・。
毎日検査検査で検査漬け。
でも脳梗塞の原因はわからない。
先の見えない状況に不安になる。
夜は消灯後もなかなか眠れず、毎日夜中まで談話室から外を見ていた。
看護師さんは時々様子を見に来たが、特別声を掛ける事なく、そっとしておいてくれた。
何だかとても有り難く感じた。
帰る場所は家族のところ
お義父さんお義母さん、妻の兄弟家族、自分の母親に姉貴、ひっきりなしに見舞いに来てくれた。
「思っていたより元気で良かった」
皆ホッとしたように帰っていった。
「ああ、少なくとも帰る場所はあるなぁ」そう思うと、少し前向きになれた。
体力の維持、後遺症にも負けない
それからは、退院してからもちゃんと稼げる様に、今出来る事はないかと必死に考え実行。
談話室で、ストレッチと筋トレを日課にした。
いいか悪いか分からなかったけど、先生に相談してもどうせ「ダメだ」と言うだろうから、断りなく始めた。
ただ、本当に体に悪い時には声を掛けて貰える様に、とにかく堂々とやった。
また、入院前にテレビで見た速読術のトレーニング方法に、視野を広げるというものがあった。
それを覚えていたのでガンガン試した。
・・・何度も言うが、
いいか悪いか分からない(何かあっても責任は負いかねます)。
更に、点滴が外れたら、早朝の病院中を早歩きで歩き回った。
しかしこうして体力維持に努めるも、後遺症が残る恐怖と将来に対する不安は拭えない。
回復の兆し!?視界に変化!
入院から1週間、検査漬けの毎日、原因は一向に判明しません。
そんな中、異常のあった視界に劇的変化がありました。
ある日、唐突に本が読めるようになる。
もう、嬉し過ぎ!
それはもう、売店で雑誌を買って読んだり、子供の好きな絵を書いたり、沢山やっても気持ち悪くならない。
先生に相談したら、視界の検査をして貰える事に・・・。
その検査とは、ドーム状の空間をのぞき込み、ランダムに光の点が現れるというもの。
どれだけ速く反応できるか、自分との勝負!
(多分、速さは関係ないです・・・)
ちょっとしたゲームみたいで面白かった。
結果は視界に異常なし。
「よっしゃー!」
原因究明のため、手術に等しい検査へ
入院も終盤になった頃、先生から
「やっぱり原因は分からない。
ただ、首から脳に向かう太い血管が左右対称ではなく、片方が細い。
先天的であれば問題はないが、今回の脳梗塞に因果関係があるなら、検査が必要かもしれない」
と言われた。
「じゃ、検査を・・・」と言うと、
「検査自体にアレルギーリスクがあるし術後は痛いので、やるかやらないかお任せします」とピシャリ。
安易な判断はいけないという事なのだろう。
内容としては、局部麻酔で足の付け根からカテーテルを挿入し、首の辺りで造影剤を流して、脳内の血流を確認するというもの。
その後は圧迫止血で固定するため、トイレに立てず、尿道に管を通して採尿する。
麻酔リスクもさることながら、この尿道に管を通すのも抜くのも激痛だとか。
「うっ、マジか?」
それでも、やらず後悔はしたくない。
やると即決する。
血管造影検査の日を迎える
検査当日の朝、足の付け根の毛が邪魔なので、剃って下さいとの指示。
看護師さん(女性です)、「剃りましょうか?」と。
いやいや、自分でやらせて。
「ごめんなさい。確認はしてもいいです?」
・・・「はい」結局、見られる。
手術室へは、裸に手術着。
これがまた心もとない。
そして検査時、ほぼ脱がされる。
そこに数人の看護師(だから女性だって)が側にいる。
「これなら、全身麻酔にしてくれ!」
先生が「意識レベルをみたいから、お話しし続けてくれる?」と言う。
裸の恥ずかしさからハイテンションでべらべら話続けていたら、「ここ集中力必要だから、黙って」と怒られる。
「話してって言ったじゃん」心で叫ぶ!
「もう、どうとでもしてくれ!」
尿道カテーテルは本当に痛い
そうして検査終了後病室に戻ると、恐れていた尿道に管を通す処置。
先生が「痛いからねー」と。
「ちょっと楽しんでないか?」
それにしても、マジで痛い。冷や汗が吹き出す。
「最後のひと押し、もっと痛いからねぇ。」
「うそでょ?」
グイっとされる。
悶絶!
今まで味わった痛みで一番かも?
その後はベッド上、少しでも動こうものなら痛い。
姿勢を直す事も出来ないし、なかなか寝付けない、地獄のような一夜を明かす。
朝になり看護師さんが、「管抜きますねー。一気にいきますよー。」
再び悶絶。
とは言え、解放された・・・と思ったら大間違い。
数日間、トイレに立つたび激痛。
管を出し入れするように人にやって貰えれば一思いにいけるが、自分主導となると精神力がいる。
そして、検査結果は問題なし。
結局、どの検査も原因を見つけることは出来なかったわけだけど、日常生活に戻れるだけでよしとするか。
尿道の痛みがなくなった頃、丁度退院となりました。
「お金に困った…」高額医療費制度とは?
ちょっとだけお金の話をしますね。
「生命保険って本当に難しいし、思うようにならない」
脳梗塞で突然入院となり、先のことが不安で自分の保険を調べた時、思い知らされた実感です。
入院保険の解約は間違いだった
独身の時、保険は入院保険にだけ入っていて、その後結婚して少ししたら、死亡保険に新しく入りました。
そして、マンションを買って住宅ローンを組む時、死亡や三大疾病(脳梗塞も含む)で、ローン補償されるものを付けました。
「住宅ローンがチャラになる・・・」
これはとても大きな補償だと思い、マンション購入後、少しでもローン支払いにお金を回せるようにと、入院保険を解約しました。
そんな中、脳梗塞で入院です。
それまで貯金を後回しにしていたため生活に余力は少なく、入院で生活費に困り頼ったのは当然「保険」です。
そして保険会社に問い合わせしてみて、「あれ・・・?」って。
期待した額の保険金が下りない
「脳梗塞になったからといって、保険金はおりないのだ」と気付いたのです。
所定の状態が続いた場合、支払われる・・・。
要するに、後遺症が残るか、仕事が出来なくなるか、になる事。
後遺症を覚悟していた視野狭窄も、退院前には完全復活した僕には当てはまらないワケです。
考えてみれば当然で、何もなければ高額保険金をそう簡単に渡すわけはありません。
辛うじて、就労不可期間の給料補償だけ受けられました。
ただ、貰えるまで日数が掛かるし、必要な診断書を書いて貰うにも数千円掛かりました。
昔、入院保険を解約している僕的には、かなりショックです。
「なんて無知だったか」と、笑うしかありません。
医療費用の助け!高額医療費制度
そんな中、色々調べて見つけたのが、「高額療養費制度」です。
医療費の自己負担額が一定の額を超えた時、健康保険組合から収入に応じた金額が支給されるのです。
通常は医療機関に支払った後に、後日払い戻されるそうです。
ただ、それでは高い額を現金で用意しなくてはならない。
「・・・大変です」
事前申請すれば、負担を減らせる
そこでさらに調べると、支払い前にあらかじめ健保組合に申請すると、元手が少なくて済む「認定証」を交付して貰える事もわかりました(金額は一緒です。先か後かです)。
入院中に早速、申請。
程なく「健康保険限度額適用認定証」を交付して貰え、早い対応でほっとしました。
自分の場合は、月上限80000円程度の支給。
退院時、それで自己負担額を抑えることが出来ました。
でもかなりの出費であったのは間違いありません。
と言うわけで、何かあってからでは遅いので、保険の補償内容の確認をしましょう!
それも細かいところまで。
自らの保険の、安易な見直しは禁物です。
僕の場合、入院保険を解約していたのは、大きな痛手でした。
それまでは保険内容について、細かく読み込んだ事はありません。
「補償条件はそんなに甘くない・・・」のです。
結論「自分の幸せ=家族の幸せ!?」
若年性脳梗塞を経験して気づいた事とは?
自分の事は後回し。仕事のストレス
この病気を機に、僕の人生観は変わりました。
それまでは、家族第一主義。
自分の用より家族優先。
そのためには仕事を一生懸命やるしかありません。
趣味はなくなり、友達ともほとんど会わない。
仕事はハードで嫌になっても、家のローンがあるから辞められません。
家族は大好きなので、それはそれでいいと思ってました。
でも、どこか気が休まらない。
仕事の厳しさや人間関係に悩み、病気の前は仕事中に過呼吸を起こしたことも。
今になって振り返ると、病気発症の原因のひとつに「仕事のストレス」もあったのだろうと思います。
家族を幸せにしたいなら
病気になって気付いた事は、
「家族も仕事も大事だが、自分の事も大事だ」
「自分が幸せじゃないと家族も幸せには出来ない」という事。
結婚するまでは、何の関係もなかった赤の他人たち。
でも今はかけがえのない妻の家族。
妻が僕に与えてくれた大切な人たち。
勿論、うちの母や姉たちも。
これからは、心も体も健康であるよう、自分の事も大切に。
いろいろチャレンジして、遊んで学んで、のんびりもする。
時に壁にぶつかりながらも、幸せな将来に向かって、家族との共に生きていきたい。
そう思います。
「病気で人生観が変わった!」のまとめ
ここまで、自分のことは後回しにして、家族のために無我夢中で過ごしていたのに、「若年性脳梗塞」という病気になって人生観が変わったことについて話してきました。
そして体験ベースで、突然の入院でいろいろ困ったことについても!
- 「救急センター」に電話相談する重要性や高額医療費制度について。
- 病気で人生観が変わった入院を経て「自分の幸せ=家族の幸せ!」であると気づけたこと。
これからの皆さんの将来に向けて、少しでも前向きに捉えて頂けたら幸いです!
ご覧頂き、ありがとうございました。